歴代日本人宇宙飛行士の全軌跡!月面着陸候補から現在の活動まで徹底解説
1990年にTBS記者(当時)の秋山豊寛氏が日本人として初めて宇宙の地を踏んでから30年以上が経過しました。スペースシャトル全盛期から国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の運用、そして人類が再び月を目指す国際探査「アルテミス計画」へと、日本の宇宙開発は着実にその歩みを進めています。
2026年現在、月面着陸を果たす日本人宇宙飛行士の選定に世界的な注目が集まる中、これまでに宇宙へ飛び立った歴代の宇宙飛行士たちの足跡を振り返ることは、未来の宇宙探査を読み解く上で欠かせません。本稿では、歴代日本人宇宙飛行士のキャリアや滞在時間ランキング、選抜試験の倍率や年収事情、引退後のセカンドキャリアに至るまで、最新の動向を余すところなくお届けします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:日本人の宇宙飛行士は秋山豊寛氏から最新の諏訪理氏・米田あゆ氏まで計14名。月面探査を見据えた新世代が実任務へ合流。
- 要点2:歴代最長滞在記録は若田光一氏(通算504日)。毛利衛氏や向井千秋氏、野口聡一氏ら各世代のパイオニアが道を切り拓いた。
- 要点3:JAXA選抜試験の倍率は2200倍超。宇宙飛行士の年収事情や引退後のキャリア、アルテミス計画における日本人月面着陸の最新事情を総括。
【全一覧】歴代日本人宇宙飛行士14名の経歴・搭乗ミッションまとめ

日本の宇宙進出の歴史は、民間搭乗者を含めてこれまで14名の日本人宇宙飛行士によって紡がれてきました。旧NASDA(宇宙開発事業団)時代から現在のJAXAに至るまで、選抜されたプロフェッショナルおよび民間枠の全メンバーと主要ミッションを時系列で整理します。
【歴代日本人宇宙飛行士一覧】
1. 秋山豊寛(あきやま とよひろ)
・初飛行:1990年(ソ連・ソユーズTM-11)
・概要:日本人初宇宙飛行士。TBSの記者として旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」に滞在し、生中継リポートを実施。民間人ジャーナリストとしての宇宙飛行という世界初の快挙を成し遂げました。
2. 毛利衛(もうり まもる)
・初飛行:1992年(NASAスペースシャトル・エンデバー号 / STS-47)
・概要:旧NASDA初の宇宙飛行士。「ふわっと'92」として知られる宇宙実験ミッションで科学実験を担当。「宇宙からは国境線は見えなかった」という名言を残し、日本中に宇宙ブームを巻き起こしました。2000年にもSTS-99で2度目の飛行を行っています。
3. 向井千秋(むかい ちあき)
・初飛行:1994年(スペースシャトル・コロンビア号 / STS-65)
・概要:初の日本人女性宇宙飛行士であり、心臓血管外科医のキャリアを持つ医師。1998年のSTS-95では伝説の飛行士ジョン・グレン氏らと共に2度目の宇宙飛行を果たし、宇宙医学分野に多大な貢献を残しました。
4. 若田光一(わかた こういち)
・初飛行:1996年(スペースシャトル・エンデバー号 / STS-72)
・概要:日本人最多となる計5回の宇宙飛行を達成。2014年には日本人初ISS船長(コマンダー)に就任し、卓越したリーダーシップで国際クルーを統率しました。ロボットアーム操作の世界的名手としても知られます。
5. 土井隆雄(どい たかお)
・初飛行:1997年(スペースシャトル・コロンビア号 / STS-87)
・概要:日本人として初めて船外活動(宇宙遊泳)を実施。2008年のSTS-123では、日本実験棟「きぼう」の船内保管室をISSに取り付ける歴史的ミッションを成功させました。
6. 野口聡一(のぐち そういち)
・初飛行:2005年(スペースシャトル・ディスカバリー号 / STS-114)
・概要:スペースシャトル、ロシアのソユーズ、米民間宇宙船スペースX「クルードラゴン」という3種類の異なる宇宙船で宇宙に到達した世界でも数少ない飛行士。通算4回の船外活動やISS長期滞在など、多大な実績を誇ります。
7. 星出彰彦(ほしで あきひこ)
・初飛行:2008年(スペースシャトル・ディスカバリー号 / STS-124)
・概要:「きぼう」船内実験室の設置に貢献。2021年には日本人として2人目となるISS船長を務め、通算3回の宇宙飛行と長時間の船外活動を完遂しました。
8. 山崎直子(やまざき なおこ)
・初飛行:2010年(スペースシャトル・ディスカバリー号 / STS-131)
・概要:日本人女性として2人目の宇宙飛行士。物資補給ミッションにおいてロードマスター(物資移送責任者)を務め、当時ISSに長期滞在していた野口聡一氏とともに「日本人2名が宇宙に同時滞在」する歴史的瞬間を創出しました。
9. 古川聡(ふるかわ さとし)
・初飛行:2011年(ソユーズTMA-02M)
・概要:医師出身の宇宙飛行士。2011年と2023〜2024年の2度にわたりISS長期滞在ミッションに従事し、宇宙医学実験や将来の月・火星探査に向けた生命科学研究を牽引しました。
10. 油井亀美也(ゆい きみや)
・初飛行:2015年(ソユーズTMA-17M)
・概要:元航空自衛隊のテストパイロット出身。「こうのとり」5号機のキャプチャ(把持)を成功させるなど、優れた操縦技術と判断力でISS長期滞在を成功に導きました。
11. 大西卓哉(おおにし たくや)
・初飛行:2016年(ソユーズMS-01)
・概要:元全日本空輸(ANA)のパイロット出身。ISS長期滞在において「きぼう」での先端材料実験やマウス飼育実験など、数々の高度な科学ミッションを遂行しました。
12. 金井宣茂(かない のりしげ)
・初飛行:2017年(ソユーズMS-07)
・概要:元海上自衛隊の潜水医官。医師としての知見を活かし、ISS長期滞在中に日本人医師として初の船外活動を実施するなど、多岐にわたる任務を完遂しました。
13. 諏訪理(すわ まこと)
・選抜:2023年選抜(JAXA宇宙飛行士)
・概要:世界銀行の上級防災専門官から転身した異色のキャリア。過酷な基礎訓練を経て正式にJAXA宇宙飛行士として認定され、アルテミス計画を視野に入れた次世代ミッション訓練に従事しています。
14. 米田あゆ(よねだ あゆ)
・選抜:2023年選抜(JAXA宇宙飛行士)
・概要:東京大学医学部附属病院の外科医出身。向井千秋氏、山崎直子氏に続く日本人女性3人目の宇宙飛行士であり、選抜史上最年少タイでの合格から基礎訓練を修了。月面探査を含む最前線での活躍が期待されています。
【ランキング】歴代日本人宇宙飛行士の「宇宙滞在時間」TOP5と伝説的記録

宇宙開発の主戦場がスペースシャトルによる短期ミッションから、ISSを中心とする数ヶ月単位の長期滞在へとシフトしたことで、日本人宇宙飛行士の累積宇宙滞在時間は飛躍的に伸びました。ここでは歴代の通算宇宙滞在時間ランキングを振り返ります。
【歴代日本人宇宙飛行士 通算滞在日数ランキング】
1位:若田光一 ―― 504日18時間33分(計5回飛行)
単独トップに君臨するのは、日本の有人宇宙活動の象徴である若田光一氏です。1990年代のシャトルミッションから、ソユーズ、クルードラゴンでのISS長期滞在まで、半世紀にわたる宇宙開発の進化を体現。500日を超える宇宙滞在は世界でもトップクラスの記録です。
2位:古川聡 ―― 366日8時間34分(計2回飛行)
2回のISS長期滞在を経験した古川氏が2位にランクイン。医師ならではの視点で自身の身体データを詳細に収集し、宇宙放射線や微小重力が人体に与える影響の解明に大きく寄与しました。
3位:星出彰彦 ―― 340日11時間10分(計3回飛行)
シャトルミッション1回、ISS長期滞在2回を経験した星出氏。ISS船長を務めたほか、通算船外活動時間は日本人最長となる39時間58分(計4回)を記録しています。
4位:野口聡一 ―― 335日17時間56分(計3回飛行)
STS-114での船外活動をはじめ、ソユーズ、クルードラゴン初運用号機への搭乗など、常に歴史の転換点となるフライトを担当。通算船外活動時間も27時間を超えています。
5位:油井亀美也 ―― 141日16時間09分(計1回飛行)
初飛行となった第44次/第45次長期滞在で141日間を宇宙で過ごし、安定したオペレーションとSNSを通じた積極的な発信で多くの支持を集めました。
【舞台裏】倍率2200倍超!JAXA選抜試験の過酷な実態と「年収・待遇」のリアル

宇宙飛行士という究極の専門職に就くためには、極めて狭き門を突破しなければなりません。2021年から2023年にかけて実施されたJAXA宇宙飛行士選抜試験は、従来の「自然科学系の4年制大学卒業」という応募要件が撤廃され、学歴・文理不問、実務経験重視のオープンな募集へと大きく舵が切られました。
その結果、応募総数は過去最多の4,127名に達し、最終的に諏訪理氏と米田あゆ氏の2名が選ばれるという、実質倍率2,063倍(最終合格率約0.048%)の超激戦となりました。
選抜試験の内容は、語学力や身体能力の測定にとどまりません。閉鎖環境試験でのストレス耐性、極度の疲労下における論理的思考力、チーム内で誰とでも協調できるフォロワーシップとリーダーシップの双方が極限まで試されます。
【気になる宇宙飛行士の年収と待遇】
選抜を通過した宇宙飛行士はJAXAの正規職員(特殊法人・国立研究開発法人の職員)として雇用されます。給与体系は基本的にJAXAの給与規定に準拠しており、一般的な初任給や基本給は国家公務員行政職の俸給表に近しい水準です。
30代〜40代の実務世代での推定年収はおよそ800万〜1,200万円程度と見られています。民間大手企業の一線級エンジニアや医師の年収と比較すると決して突出して高額ではありませんが、NASAへの長期出張手当、特殊任務手当、そして実際の宇宙飛行時には危険度に応じたフライト手当などが支給されます。宇宙飛行士たちは巨額の報酬のためではなく、人類の知のフロンティアを拓くという崇高な使命感を持って過酷な日々に挑んでいます。
【現在の活動】レジェンドたちの今|大学教授・民間宇宙企業・地域創生への転身
JAXAを退職、あるいは現役を退いた歴代日本人宇宙飛行士たちは、宇宙で得た知見と経験を活かし、学術、ビジネス、教育、環境保護など多彩なステージで活躍を続けています。
・秋山豊寛氏:農業と環境教育の道へ
宇宙から地球の薄い大気層を目撃した秋山氏は、地球環境の大切さを訴えるべく福島県で有機農業を開始。その後、京都芸術大学の教授などを務め、持続可能な社会のあり方を次世代へ説き続けています。
・毛利衛氏:科学コミュニケーションの基盤を構築
長年にわたり「日本科学未来館」の館長(現・名誉館長)を務め、最先端の科学技術と一般社会をつなぐ架け橋として日本の科学教育を牽引しました。
・向井千秋氏:宇宙医学と女性活躍の旗手
東京理科大学の特任副学長やスペース・コロニー研究センター長を歴任。将来の月面居住を見据えた閉鎖空間での生活技術研究や、STEM分野における女性リーダーの育成に尽力しています。
・野口聡一氏:学術研究と民間宇宙ビジネスの推進
JAXA退職後、東京大学先端科学技術研究センターの特任教授や企業の社外取締役に就任。宇宙開発の商業化や未来構想に関するオピニオンリーダーとしてメディア・研究の両面で精力的に発信しています。
・若田光一氏:グローバルな民間宇宙ステーション開発へ
2024年にJAXAを退職後、米国の民間宇宙企業「Axiom Space(アクシオム・スペース)」のアジア太平洋地域最高技術責任者に就任。ISS退役後を見据えた商業宇宙ステーションの建設プロジェクトに参画し、新たな宇宙産業の創出に挑んでいます。
【2026年最新】アルテミス計画と月面着陸!諏訪理・米田あゆ両飛行士が担う使命
世界の宇宙開発は今、地球低軌道のISSから「月」およびその先の「火星」へとターゲットをシフトさせています。米国主導の国際月探査プログラム「アルテミス計画」において、日本は極めて重要なポジションを担っています。
日米の政府間合意により、「日本人宇宙飛行士2名が月面に着陸する」ことが公式に決定しており、アメリカ人以外で初めて月面に降り立つ国が日本になる可能性が極めて高まっています。
この歴史的ミッションの主役として期待されているのが、基礎訓練を終えて本格的なフライトアサイン(搭乗任命)を待つ諏訪理宇宙飛行士と米田あゆ宇宙飛行士、そして経験豊富な現役ベテラン飛行士たちです。
日本は月面探査において、JAXAとトヨタ自動車などが共同開発を進める有人与圧ローバ「ルナ・クルーザー(有人月面探査車)」の提供を担当します。宇宙飛行士が宇宙服を着ることなく車内で生活しながら広範囲を移動・探査できるこの車両の運用は、まさに日本の技術力と日本人宇宙飛行士の操縦技術にかかっています。誰が最初の月面着陸クルーに選ばれるのか、運命のカウントダウンが始まっています。
【日本人宇宙飛行士の歴代】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本人で初めて宇宙に行った人と、JAXA(国)の飛行士として初めて行った人は別ですか?
A1:別です。日本人として初めて宇宙へ行ったのは、1990年に旧ソ連のソユーズで飛行したTBS記者(当時)の秋山豊寛氏です。一方、日本の国家宇宙機関(旧NASDA/現JAXA)に所属する宇宙飛行士として初めてスペースシャトルで宇宙へ行ったのは、1992年の毛利衛氏です。
Q2:宇宙飛行士になるために特定の大学や医学部を出る必要はありますか?
A2:必須ではありません。近年のJAXA選抜試験では自然科学系学部の卒業要件が撤廃され、あらゆる分野の実務経験者に門戸が開かれました。実際に現役飛行士には、工学系出身者、医師、民間パイロット、国際機関勤務(防災専門官)など極めて多彩なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが揃っています。
Q3:日本人が月面に降り立つのはいつ頃になりますか?
A3:アルテミス計画の進行スケジュールに基づき、2020年代後半のミッションにおいて日本人宇宙飛行士が月面着陸を果たす計画が進められています。ルナ・クルーザーの打ち上げや運用計画と連動し、歴史的な第一歩が刻まれる予定です。
まとめ:月・火星探査へ向かう日本の宇宙飛行士の未来
秋山豊寛氏の第一歩から始まった日本人宇宙飛行士の歴史は、毛利衛氏や向井千秋氏らが築いた科学実験の時代、若田光一氏や野口聡一氏らが牽引したISS建設・運用の黄金期を経て、ついに月面探査という新たな地平へと到達しました。
新世代の諏訪理氏、米田あゆ氏の合流、そして民間宇宙ビジネスへの元飛行士たちの参画など、宇宙はもはや遠い憧れの世界ではなく、人々の生活と密接につながるフロンティアへと進化しています。日本人宇宙飛行士が月面にその足跡を残す歴史的瞬間は、すぐそこまで迫っています。 (出典: 日本 人 宇宙 飛行 士 歴代(Yahoo!ニュース))